ピクミン考

☆ピクミンについての疑問

 ピクミンには、自分を引っこ抜いたものを親だと思い、それについて行く性質がある。しかし、この習性には重大な問題がある。
 こうした「刷り込み」は、親が常にそばにいるということが前提になっている。アヒルの場合、卵から孵って初めて見るものが親である可能性が高いからこそ、「刷り込み」は効果を発揮するのである。親が常に卵のそばにいない生物の場合、生まれて初めて見たものについて行く性質は非常に危険なものとなる。対象が敵である可能性が高いからである。
 ピクミンの場合、自分を引っこ抜くものが親である可能性はまずない。なぜなら、ピクミンはピクミンを引っこ抜くことができないからである。となると、ピクミンの「刷り込み」は、ピクミン以外の生物で、しかもピクミンを保護してくれる生物が引っこ抜いてくれることを前提としていることになる。しかし、ピクミンが生息している場所には、そういう生物は存在しない。地面に埋まっているピクミンを抜くことができる生物は唯一ドドロだけであるが、ドドロは抜いたピクミンを全て殺してしまうのである。
 このような場所での「刷り込み」は自殺行為であり、アホとしか言いようがない。それでは、なぜピクミンは自分を引っこ抜いたものについて行くのだろうか。

 ピクミンの親になるのは、異星人のオリマーである。オリマーはピクミンを引っこ抜き、彼らの数を増やし、さまざまな天敵に応じた効果的な戦闘方法を指示し、ピクミンの繁栄に大きく貢献した。
 もしオリマーが来なかったら、ピクミンはどうなっていただろうか? ピクミンの母体であるオニヨンは、オリマーが近づくと活動を開始し、ピクミンの種を一つ吹いた。オリマーが近づかなければオニヨンは活動しなかったし、ピクミンが地上に登場することもなかったのである。
 ピクミンは、オリマーのような異星人を当てにしていたのだろうか。敵か味方かわからない、そもそもこの星に来てくれるかどうかすらわからないものを?

☆都合よく解釈するとこうなった

 全ては想像でしかないが、この星には昔、ピクミンの親となる生物が存在していたのではないだろうか。引っこ抜いたものに従い行動するというピクミン独特の習性は、そのときにできたものであると考えられる。しかし、何らかの理由で親がいなくなってしまった。親をなくしたピクミンは絶滅の危機に瀕した。そこで、生き残った数少ないピクミンは安全なオニヨンの中にこもり、親を待ち続けたのである。
 そこへ現れたのが、遭難した異星人オリマーである。このまたとないチャンスをピクミンは逃さなかった。オリマーの力だけでは集められない宇宙船パーツを集めたいオリマーと、強力なリーダーがほしいピクミンの利害が一致し、両者は共同作業を行うことになる。
 オリマーはピクミンの期待した通りの優秀な親であった。こうしてピクミンは順調に数を増やし、強くなっていく。最終的にオリマーは故郷のホコタテ星へと帰っていくが、そのときにはピクミンは親なしで生きていく方法を身に付けていた(ハッピーエンドの場合)。同じ失敗を繰り返さないために学習していたのである。
 また、オリマーが脱出に失敗するバッドエンドは、ピクミンにとって最も都合のよい結末になっている。

追記(2004.3.20)

 最後の文章は大幅にカットしました。まぁしかし、くだらないことを考えていたもんですな……。
 それにしても、ピクミンは難しかったです。よくクリアできたなぁ。たぶん今やったらクリアできないだろうな。

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