『火車』

2004.6.13執筆

 ここ最近、ミステリー小説とはご無沙汰だったけど、久々に読むと面白いもんですね。高校時代はそればっかり読んでたからちょっと食傷気味かな? と思ってたんだけど。食わず嫌いはするものじゃないなーと改めて思いました。物語にここまで引き込まれたのは、最近で言えばPSOエピソード3以来かな。比較対象がゲームなのもどうかと思うけど。
 今さらながら、宮部みゆきの『火車』を読みました。クレジットカード、多重債務、自己破産。書かれたのは10年前だけど、まさに今現在の問題です。小説が色褪せていないと言うより、現実が10年前からちっとも変わっていないってことです。
 待ち時間とかにちょこちょこ読むと、まるで連ドラを見ているような気分(ドラマ見ないけど)。先が気になるストーリーだからこそ、一気に読まずに小出しに読み進める楽しみが。とにかく面白かったです。
 だけど、一つだけ。作中に出てくる弁護士さんが多重債務者について講釈をたれるシーンがあるのですが、そこだけなんだか経済の教科書を読んでるような気分になりました。その部分だけ妙に浮いていて、違和感を感じたのは否定できません。
 ま、でも、それを差し引いても十分面白かったし、ミステリーを普段読まない人にも、ミステリーに飽きちゃった人にもお勧めできる一冊だと思います。

参考文献:
宮部みゆき『火車』新潮文庫,1998

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